一目で分かるユニベルシテ
出るとすれば、かなり以前(何十年も前に)ヒトで流行したものか、現在トリにいるウイルスが直接に、あるいはブタを介した複雑なメカーズムを経て現れるのではないか」とK先生は言う。
厚生省のシミュレーションでは、新型ウイルスが発生した場合、全人口の25%、3200万人が感染するという数字になっている。
だとすると、新型の場合はある程度まとまった数の死亡は避けられない。
3200万人が一気にかかるとすると、ピークのときには病院がいくらあっても医療が間に合わずに死亡することも十分考えられるのである。
かつて大流行したアジアかぜや香港かぜの病原ウイルスの抗原構造はわかっている。
スペインかぜのウイルスは分離はされていないが最近までの研究で抗原構造などある程度まではわかっている。
しかし、それでいくらアミノ酸の配列がわかっても、それと症状が結び付けられないので、なかなか臨床的な立場からの対策は立てづらいのである。
インフルエンザは恐ろしい病気で、特に新型ウイルスが発生した場合には、従来のワクチンでは効かず、新しく新型ウイルスのワクチンを大量に製造しなければならない技術的な問題もあり、また時間的に接種が間に合わないといった事態を生じて、多くの犠牲者が出ることも予測されるのだが、最近、新しい薬や診断キットが開発されたことで、インフルエンザの診断治療が新しい局面を迎えている。
診断については迅速診断キットができた。
これまでのインフルエンザの確定診断は、ウィルスを分離したり、血清診断で急性期と回復期の血液をとり、免疫抗体を測って診断していたので一定の日数がかかっていたのだが、1999年の冬に、ベッドサイドで十分間ほどでできる診断キットが出た。
2000円ほどの値段のものであるので、これは医師や患者にとっては福音といっていい現在広く使われているものは、ディレクティジェンフルAという名で、医療保険の適用も認められた。
ただし、これはアメリカの製品で、予約して輸入しなければならず、た、有効期間は半年ぐらいなので、使いたいときに使いたいだけすぐ手に入るというそして、治療については最近、インフルエンザウイルスそのものに効く薬ができた。
ザナミビルとオセルタミビルという薬で、A型、B型両方によく効き、予防効果もある。
副作用も少なく、耐性ウイルスも作りにくい。
これまで使われていた抗インフルエンザ薬のアマンタジンと比較すると、かなり優秀な薬の登場である。
最初の抗インフルエンザ薬のアマンタジンは、A型にしか効かず、耐性ウイルスを作りやすいという弱点があったからである。
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